つないだ手 | 妄想少女

つないだ手

並んで歩く彼と私。
身長差からか私は彼についていくのがやっと。
私に合わせてくれるけれど、すぐに離れてしまう。

見かねた彼が私の手をひいてくれた。
彼の手はとても大きくて、ひんやりしていて、
私の手はすっぽりつつまれてしまう。

ちょっと強くひっぱられて、私は前にのめりそうになる。
彼のスピードに合わせるからはや歩きになってしまう。

遠くに友達が見えた。彼はパッと私の手を離した。
何事もなかったかのように……。

彼と私は友達だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
友達…… 友達と言う言葉がずっしりとする。

なんでだろう。
繋いだ手にとても安心して、離れた手に不安を感じる。