合コンでの出遭い | 妄想少女

合コンでの出遭い

 いつもはいかない合コン。今日は欠員がでたと友達に懇願され、どこで手に入れたのか私がとても行きたかったライブのチケットを目の前でちらつかせて交換条件をいうのだ。
断ってもいい…だけれど、そのライブは超レアでなかなか手に入らないもの。結局誘惑に負けてしまった。

私は、少し人見知りする。はじめての人、知らない人を目の前にすると何を話せばいいのか分からなくなってしまう。そんな風だから、いつまでたっても彼氏ができない。だって、普通に話せるようになって、相手を意識しはじめた頃にはいっつももう彼女ができているんだもん。友達はおせっかいにもそんな私のことを心配してくれているみたい。どうせ、こんな私をネタにして集めたんだろうけれど。

「ねぇ、どう思う?」
不意に話をふられ、私は口篭もってしまう。
「やぁね~。いっつもこうなのよこの子。ちょっとのんびりしてるんだから。」
そういって彼女は彼と話しだす。
狙ってんのかなぁ……なんてその様子を見て考えていた。
なんとなく、こういうところ苦手…。だけれどチケットももらってしまったことだし、いまさら帰ることはできない。彼女は私のそういう性格を知っていて呼んだんだろうなぁ。

「ねっ、どこの学校?」
別の人が私に話しかけた。今度はちゃんと話すことができた。
「学校までどのくらい時間かかるの?」
その人が話しかけてくる。チラッと友達をみると、さっきの人と会話が弾んでいるみたい。一生懸命、おかしがられないように笑ってみせた。
「どこらへんに住んでるの?」
「一人暮し?」
「じゃあ今度遊びに行っちゃおうかな。」
なんて話しているうちに、気がついたら私の隣にその人が座っていた。

「ねぇ、身長どのくらい?」
「ちっちゃいねぇ。」
「俺、小さい子かわいくて好き。」
そんな言葉をかけながら、私の腰に手が…。
いやだって言えばいいのか、でもそんなことしたら空気を悪くしちゃう…。
「気分悪そうだけど大丈夫?」
さっきの彼が私に声をかけてくれた。
「えっ・・・と。」
「ほら、顔色悪いよ。ここ暑いから少し涼しいとこに行ったほうがいい。」
彼は私の手をとり、その人と引き剥がすと、店の外までつれていった。

あの…そう声をかけたとき
「大丈夫?あいつ普段からあんな感じだからさ。」
「このまま抜けちゃっても平気だとおもうよ。」
私の手をひっぱって歩きだした。
「どこ、いくの?」
「みんなのとこに戻る?」
私は首をふった。
「じゃあきまり。」
手をひかれながら、彼の後をおった。